「売れてる後輩」が憎い。そのドロドロした嫉妬を、売上に変えるガソリンに転換する全技術

鳴り響くシャンパンコールに沸き立つ店内。
マイク越しに聞こえるのは、最近勢いのある後輩や、ずっと先を走るナンバー入り同僚の楽しげな声だ。

「本日も、エース様から100万入りました!」

「あいつは運がいいだけ」「どうせ枕だろ」そう心の中で毒づきながら、自分は指名ゼロの伝票を眺めては、胸がチクチクと刺すような感覚に襲われる。
吸い殻の山になった灰皿、既読がつかない営業LINE、そして自分だけが「何者でもない」という焦燥感。

そうやって心の中で相手に毒づき、切り捨てて、自分を慰めることでしか、今の自分を保てない夜があるはずです。

その同僚や後輩が売れてるのが憎いというストレスこそ、あなたがトッププレイヤーに上り詰めるための最強の武器となります。
この記事では、自分の精神が削れてしまうような「イライラ」を、明日からの売り上げを爆増させる「ガソリン」へと変える、ホストのための思考法をお伝えします。

嫉妬は「勝ちたい自分」からのラストメッセージ

まずあなたの胸を痛めてるその醜い感情を、どうか否定しないでほしい。
なぜなら、嫉妬という感情は、あなたが同僚や後輩に負けたくないという感情や、自分自身の可能性をまだ諦めていない「なによりの証拠」です。

例えばもしあなたが、世界で活躍する大谷翔平選手の活躍を見て「ムカつく」「あいつばっかり注目しやがって」と本気でイライラしていたら、周りはどう思うでしょうか?
きっと「いや、お前は野球選手ですらないだろ」と失笑されるはずです。
人はあまりにもかけ離れた能力や存在や、最初から勝負を捨てている対象に対して、嫉妬というエネルギーを使うことはできません。

特にその嫉妬が肥大化してしまうのは、つい数ヶ月前まで自分の後ろを付いてきた後輩に、背中を抜かれた瞬間ではないでしょうか?
「〇〇さん、姫からこんなLINE来たんですけど、なんて返せばいいですかね?」
仕事のイロハを教え、時には営業終わりの牛丼屋で「いつか一緒にナンバー入ろうな」と夢を語り合った弟のような存在。

そんな彼が、ある日突然、大きな売り上げを叩き出す。

店内に響く、聞き慣れた後輩の声でのマイクパフォーマンス。
「指名ありがとうございます!」その瞬間、あなたはヘルプとして彼の卓に呼ばれます。かつて自分が教えてあげた「お酒の作り方」や「タバコの火の付け方」を、今度は自分が彼のお客様のために行なっている。

「なんであいつが?」「たまたま太客掴んだだけだろ」
そんな醜い言葉が次々と浮かんでは消え、それが情けなくて。あんなに可愛かった後輩の笑顔が、今では自分をあざ笑ってるかのように見えてしまう。

この時多くのホストは、「あいつとは運が違う」と線を引いてしまい逃げてしまいます。

あなたが後輩や同僚にイライラし、悔しくて下唇を噛んでしまうのは、あなたの本能が「俺もあそこの地位にいけるはずだ」「本来スポットライトを浴びるのは俺であるべきだ」と、自分の価値を高く見積もっているからに他なりません。

本当に才能がない人や、やる気を失った人は、他人がいくら売れても「すごいね、おめでとう」と無の感情。嫉妬すらなくなってしまったら、それはホストとして死を意味してます。
いまあなたが感じているストレスは、あなたの心が「俺はこんなところで終わっちゃいけない」と叫んでいるメッセージです。その熱を無理に冷ます必要はなく、そのメラメラと煮えたぎる嫉妬を明日への活力に変えるべきです。

負け犬の嫉妬、売れっ子の嫉妬

嫉妬には自分の価値をさらに下げるだけの「毒」と、自分を高める「薬」の2種類があります。
いまあなたは、どちらの嫉妬に時間を費やしてるでしょうか?

負け犬の嫉妬:相手を下げることで「自分」を保つ

「負け犬の嫉妬」にハマっているホストは、とにかく相手の「欠点」を探すことに夢中になります。
・あいつは枕営業だから売れているだけ
・客層が良いだけで、ホストとしてのスキルはない
・運営に気に入られてるから、良い新規を振ってもらえる

仮に相手が枕営業だとしても、そのお客様を店に呼ぶまでのマメさや、枕をした後のケアは徹底しているはずです。そこを見ずに『枕だから』で片付けるのは逃げてるといっても過言ではありません。

そうやって相手をズルしている、チートしてる奴と決めつければ、売れていない今の自分を正当化できるからです。
バックルームで同僚の陰口を叩き、酒に逃げ、舐め腐った態度で接客をする。
そんなあなたの「余裕のなさ」や「負けオーラ」はお客様にも、そして何よりあなたの大切な姫にも伝わります。

「最近担当が暗いな」「人の悪口ばかりでかっこ悪い」と思われた瞬間、指名は切れます。
相手を下げようとして、結局自分の首を絞めている。これが「負け犬の嫉妬」の末路です。

売れっ子の嫉妬:相手を「紐解いて」、スキルを盗む

一方で、1000万、2000万と売り上げるトッププレイヤーほど、実は誰よりも嫉妬深く、冷静で感情に左右されません。
彼らは同僚が売れた時、悔しさを押し殺して、相手を徹底的に観察します。

売れっ子はムカつく相手を「敵」ではなく、最高のサンプルとして見ているのです。
・なぜあの子は、あいつにあんな大金を使うのか?
・あいつは姫が不機嫌になったとき、どんな言葉で機謙を良くしているのか?
・LINEの返信のタイミングは?既読をつけるタイミングは?

彼らは、自分のプライドなんて捨てて、相手の売れている理由を一つ残らず観察しています。
そして、「あいつにできて俺にできないはずがない」と、翌日からその技術を自分のものとしてパクり、さらに進化させていきます。

プライドを守って売れないまま終わるか、プライドを捨てて、あいつの技術を盗み、圧倒的な数字で黙らせるか。

感情を「分析」に変えるステップ

メラメラと燃える嫉妬をそのままにしておくと、自分自身が疲弊してしまいます。このエネルギーを売上に変えるには、脳を「感情モード」から「分析モード」へ強制的に切り替える流れが必要です。

ステップ1:「何が」ムカつくのかを言語化する

「なんとなくあいつが嫌い」では、何も解決しません。まずは自分の心がどういう事に反応しているのかを、正直に書き出してみます。
❌ 「あいつの顔がムカつく」
⭕ 「あいつが、お客様のグラスが空く一歩手前で、完璧なタイミングで次の飲み物を勧めているのがムカつく(=自分はそこまで周りが見えていなかった)」

「ムカつくポイント」というのは、実は「自分もその技術を手に入れたいのに、まだできていないこと」です。

ステップ2:自分との「差」を1ミリ単位で測る

次に、売れている同僚と自分の行動を、具体的に比較します。

返信速度:あいつは通知が来てから何分で返しているか?
出勤態度:あいつは営業前にどれくらい店に来て準備をしているか?
姫との会話の比率:あいつは自分が喋っているのか、それとも姫に喋らせているのか?

ここで大切なのは、「あいつは特別だから」という逃げを完全に無くすことです。

ステップ3:一つだけ「今すぐパクる」と決める

相手の分析が終わったら、最後は行動することです。相手の全てを完コピするのは無理でも、「これなら明日から俺にもできる」という相手の要素を一つだけ選んでください。
「あいつの武器を一つ奪った」という感覚が、あなたの自信を少しずつ取り戻させてくれます。

嫉妬エネルギーを売上に変える「3つの変換プラグ」

頭でわかっていても、体が動かない。そんな時は、この「3つのプラグ」を使って、ドロドロした感情を無理やり行動に繋いでしまいましょう。

【変換プラグ1】悔しさを「スマホを叩く指」に流し込む
「悔しくて指がちぎれるまで送る」くらいの勢いで100通、200通と送るのです。
不思議なことに、怒りに任せて無心で送ったメッセージには、「俺はここから這い上がるんだ」という熱がこもります。

【変換プラグ2】あいつの「得意技」を盗んで、自分のものにする
ホストの世界では、「結果を出している奴の真似をする」のが最短の正解です。
相手の良さを吸収し、そこにあなたの個性を乗せたとき、あなたはあのホストを超えることができます。

【変換プラグ3】ライバルを「敵」ではなく「目安」にする
視点を「あいつとの勝ち負け」から、「あいつがいるおかげで、自分はどこまで成長できるか」という自分軸の戦いに切り替えてください。

現場での「魅せ方」の極意

――悔しい時ほど、王様のフリをしろ
心の中は嫉妬でドロドロ。でも、それを顔に出してしまったら、その時点であなたの負けです。
なぜなら、女の子は「余裕のない男」に大金を使いたいとは思わないからです。

1. 姫の前では、あえて同僚を「褒める」

プロのホストの対応は、こうです。
「本当だよね。あいつ、最近めちゃくちゃ頑張ってるから、俺も刺激受けるよ」

あえて同僚を認めることで、あなたは「器の大きい、余裕のある男」に見えます。
嫉妬を「不機嫌」に変えるのではなく、「姫への愛」に変えて伝える。これがプロの技術です。

2. バックルームでは「冷徹なアナリスト」になる

「あいつの今日の卓、なんであんなに盛り上がってたんだ?」
「あのシャンパンを入れる直前、どんな会話をしてた?」

感情で泣くのではなく、目で盗む。バックルームは休む場所ではなく、次の勝利のための「作戦会議室」だと考えてください。

3. 「昨日の自分」とだけ競争する

同僚はあなたの「敵」ではなく、あなたがどこまで行けるかを教えてくれる「目安」にすぎません。
他人と比べたり、競うのをやめ、自分を更新し続けることに集中したとき、気づけばあなたは、かつて嫉妬していた同僚を、遥か後ろに突き放しているはずです。

【実例】伝説のホスト・伯爵が教えてくれた「本当のプライド」

ここで、歌舞伎町で今も現役を貫く一人のレジェンドの話です。「club ROMEO」の柏原勝哉さん、通称「伯爵」の物語です。

1. 若手に頭を下げる「勇気」

彼は、自分のプライドを一度すべて捨てました。SNSのバズらせ方も、今の女の子たちの流行りもわからない。そんな自分を認め、20代の若手ホストたちに「やり方を教えてほしい」と頭を下げたのです。

2. 「亡き友との約束」が嫉妬を越えた

彼を突き動かしたのは、亡くなった同僚ホストの存在でした。「もう一度、輝く姿を見せる」。その強い想いが、絶望をすべて「努力」というガソリンに変えたのです。

3. 掴み取った「No.4」の称号

40代後半にして死に物狂いで掴み取った「No.4」という数字は、何億円という売上よりも重く、尊いものでした。
「過去の自分」に嫉妬し、今の「売れている若手」に嫉妬する。その感情を、彼は「自分をアップデートするためのエネルギー」として使い切ったのです。

まとめ 一番怖いのは「嫉妬」すら消えたとき

ホストを続けていく中で、一番怖いのは売れていないのに悔しくなくなることです。

他人の成功を見ても「自分とは住む世界が違う」と冷めてしまい、自分の現状に満足してしまう。その瞬間に、あなたの成長は止まり、ホストとしての寿命は終わります。

嫉妬し続けましょう。イライラし続けましょう。その心の痛みは、あなたが「もっと上に行ける」と信じているエネルギーそのものです。

数ヶ月後、あなたがナンバー入りの壇上でマイクを握る時、バックルームで今のあなたと同じ顔をして悔しがっている後輩がいるはずです。
その時、あなたは笑ってこう言えるはずです。「その悔しさが、お前を強くするんだよ」と。

ホストルは、泥臭く這い上がろうとするあなたの熱意を、誰よりも応援しています。